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Webディレクターが選ぶ、今年のキーワード5選

Webディレクターが選ぶ、今年のキーワード5選

  • Ikebe
  • 2023.12.26

2023年もあっという間に過ぎ、気づけば年末が近づいています。
今回はWebディレクターの観点で特に気になったIT関連のキーワード5点から、2023年を振り返ってみたいと思います。

1.生成AI

今年1年を振り返ったときに真っ先に浮かぶのは、生成AIの躍進です。
「生成AI」「チャットGPT」の2つのワードは新語・流行語大賞にノミネートされるほど社会的に大きな影響があり、ニュースサイトや新聞でも毎日のようにAI関連の話題が取り上げられています。

Webディレクターとして特に注目しているのは、11月6日(現地時間)にOpenAIから発表された、ChatGPTの最新版である「GPT-4 Turbo」です。
これまでのChatGPTの大きな弱点として、学習情報が「2021年9月まで」に留まっているというところがありましたが、今回のバージョンでは2023年4月までの情報が含まれるようになりました。対応可能な文字数や速度も改善されたようです。
2023年12月現在はChatGPT Plus(有料版)とEnterpriseでのみ利用することができます。

参考:https://openai.com/blog/new-models-and-developer-products-announced-at-devday

現状はセキュリティや個人情報の懸念が大きいツールが多いのが実情ですが、IT業務の効率化の手段として生成AIを扱うスキルは既に必須になりつつあり、今後の情報からも目が離せません。

2.GA4

アクセス解析ツール「Googleアナリティクス」の最新版としてリリースされたGA4(Google Analytics 4)
旧バージョンであるUA(Universal Analytics)の計測停止となる2023年7月1日に向けて、移行の対応に追われた企業も多かったことと思います。

UAに対するGA4のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

・機械学習を活用した予測分析が可能
GA4では、機械学習による予測分析機能を活用できるようになりました。
例えば、「過去28日間に操作を行ったユーザーによって、今後7日間以内に特定のコンバージョンイベントが記録される可能性」といった、マーケティングに活用できるユーザーの行動予測が管理画面で確認できるようになっています(機械学習を活用するには、一定の条件もあります)。

・アプリとWebのデータを統合して分析が可能
GA4はアプリとWebのデータを統合して分析することができます。これまではアプリユーザーのアクセス解析とWebサイトユーザーのアクセス解析を個別に行う必要がありましたが、双方を横断したユーザーの行動を分析することができるようになりました。

・プライバシー保護の強化
GA4はプライバシー保護を強化した設計になっています。プライバシー保護に対する気運が高まる中で、より適切にWeb解析を行うことができるようになりました。

アンタイプではGA4の導入はもちろん、複数の解析ツールを使用したアクセス解析、それらを基にした改善提案も行っています。お困りの方は、お気軽にご相談ください。

3.リテールメディア

サードパーティクッキーへの規制の動きはここ数年で高まっていましたが、特に2023年6月に施行された「改正電気通信事業法」によって、Cookie規制への対策が強く求められるようになりました。
そんな中注目されているのが、ファーストパーティデータを活用したマーケティング手法の「リテールメディア」です。

小売店が保有する顧客データや店舗の空間を活用して広告やマーケティングを行う手法であり、消費者のニーズや興味に合ったターゲティングが可能になります。

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何よりの特徴は、従来の広告媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネット)とは異なり、顧客の購買行動に「直接」関連するデータを活用できるということです。

リテールメディアの具体的な例としては、以下のようなものがあります。

・店頭のデジタルサイネージやポスターへの広告
・ECサイトのパーソナライズされた関連商品
・ポイントカードやクーポンなどの販促施策

サードパーティデータの規制はアクセス解析において痛い部分が多いものの、より質の高いファーストパーティデータを活用できる状況があれば、むしろチャンスにもなります。
逆境と捉えるばかりではなく、オンライン/オフラインを問わず広い視野でマーケティングを行っていくことが重要ですね。

4.Fediverse

X(旧Twitter)の動向は、現在進行形でSNSを賑わせています。
Xの各種競合の動きも話題になり、その中でも特に印象深かったのがMetaが提供するSNS「Threads(スレッズ)」です。
短文を投稿する仕様などがXと類似しており、混乱するXからの移行先として注目されたのはご存知の方も多いかと思います。

このThreadsが参加しようとしているのが「Fediverse(フェディバース)」です。
Fediverseとは、独立したサーバー同士が相互に接続された、分散型のソーシャルメディアネットワークのことです。
XやFacebookといった従来のSNSの中央集権的なところを問題視し、それらからユーザーを開放しようといった動きによるものでもあります。

Fediverseではユーザーは自由にサーバーを立ち上げたり、他のサーバーのユーザーと交流することができます。
例えばの話ですが、X・InstagramがFediverseに参加した場合、XのアカウントでInstagramの投稿を閲覧できたり「いいね」できるようになるのです。
Fediverseに参加しているサービスとして、日本では「Mastdon(マストドン)」などが有名です。

Fediverseにおいては、Xにおける「トレンド」のような統一された大きな流れが生まれづらくなるので、従来のSNSにおけるマーケティングとは手法も変わってくるでしょう。
まだ発展途上ではありますが、2024年も引き続き最新の動向をチェックしていきたいですね。

5.BeReal

BeReal(ビーリアル)」は2020年にフランスでリリースされたSNSですが、最近はZ世代に流行のSNSとして日本での人気が高まっています。

BeRealの一番の特徴は、「リアルな日常」を投稿することです。
投稿は以下のような流れで行います。

・アプリから1日1回、ランダムな時間に通知が届く
・通知を開くと、2分間のタイマーがスタートする
・外カメラと内カメラで、同時に写真を撮影する

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画像:BeReal

BeRealには加工やフィルターの機能が一切なく、「盛れて」いない自分をそのまま投稿する必要があります。
相互フォローでないと投稿の閲覧ができないためフォロワーだけが多いという状況は生まれず、「いいね」の数の表示もないため、他人からみたアカウントの「評価」を気にしなくて良いようにもなっています。

SNSが生活に欠かせないツールになっている一方で、「SNS疲れ」に悩んでいる人が多いのも事実です。
リアルな生活を楽しみながら、適度にオンラインでの交流を楽しめるSNSとして若い世代にフィットしたのかもしれません。

今のところは若い世代でのみ流行っているという印象が強い状態ですが、これからどのような広がりをみせていくかも注目ですね。

おわりに

以上5点、アンタイプのWebディレクターが選ぶ2023年のキーワードでした。
今回の記事が情報キャッチアップのお役に立てれば幸いです。
来年もどうぞ、よろしくお願いいたします!